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うたわれ文字整理

うたわれるものシリーズ作中で使用されている文字の(ほぼ推測による)整理



画像は「うたわれるものシリーズ © AQUAPLUS」のゲーム内より。


ネット上で散見される地域による分類よりも、メタ時系列による分類の方が適切ではないか、という話。


地域による分類時系列による分類
ヤマト文字(仮)→うたわれ公用語(2015)
トゥスクル文字(仮)→うたわれ公用語(2018)
ロスフラ文字(仮)→ロスフラ古語/雅語(2019)

以下、説明。

前提として

偽りの仮面ゲーム内にて、クオンは得意分野(戦略的な分野)以外ではだいぶ頭が緩く、トゥスクル国内の寺子屋で(恐らく)ウルトリィなどが作ったと思われる子供用の教則本を旅先でも持ち歩いている。

そのクオンがヤマトに渡った際に読み書きに苦労した、というエピソードが無く、トゥスクル国民とヤマト国民が普通に会話している点からも、恐らく語彙・発音・文法に差がないと推測できる。

もっと言えば、古代人であるハクが目覚めてすぐに会話できている点から、文字を除けば旧時代と大差ない言語と思われる。
(江戸〜令和の変化が150年程度で起きたと考えると、数百年後の世界で会話できるのはむしろ驚異的?)

ヤマト文字(仮)

偽りの仮面アニメ(2015)内で使われたため、アニメ作中の主な舞台であるヤマトの地名から、この名前で呼ばれる事がある。

ただし、同じくヤマトが舞台の偽りの仮面ゲーム(2015)内では使用されておらず、二人の白皇ゲーム(2016)内ではオシュトルの居室(ヤマト国内の属国エンナカムイ)の屏風とトゥスクル国内の寺子屋の掛け軸で類似の文字が使用されている。

画像1.二人の白皇 オシュトル居室 (手前 左の屏風に文字)

画像2.二人の白皇 トゥスクル国内の寺子屋 (左手奥の掛け軸に文字)

つまりヤマト文字(仮)はトゥスクル国内でも使用されている。

偽りの仮面ゲーム(2015発売)開発時点で完全には定まっていなかった文字の設定を、偽りの仮面アニメ(2015放送)製作時に整理し、その際にアニメ製作期間と平行して開発中だった(?)二人の白皇(2016発売)の資料を元にしたのではないか。

このような推測から、ヤマト地方の文字、というよりは2015年当時のうたわれるもの世界全体の公用語であった可能性が高い。

トゥスクル文字(仮)

2018年に発売されたトリロジーボックス(三部作全部入りパッケージ)のおまけアニメ内で使用され、当該アニメの舞台がトゥスクル国内の話だったため、この名前で呼ばれていると思われる。

2019/11リリースのロストフラグ ゲーム内でも「公用語」としてほぼ同じ文字が使用されている。

画像3.ロストフラグ第3章 第2話 (「公用語」の説明)

画像4.ロストフラグ 居酒屋 (右上のお品書きに文字)

ロストフラグゲーム作中で、画像として確認できる使用箇所は以下。

  • 居酒屋
  • 遊宮
  • お祭りの屋台
  • クロマの店
  • 四姉妹の旅籠
  • ユニシアのメモ書き

いずれも、大社から見て地理的に遠い場所で使われている事から、民衆文字の色合いが強い。ただし、画像3の前後の文脈から、大社内でも書類の文面はこの文字と思われる。

トゥスクル文字(仮)と呼ばれる事が多いが、前述のように二人の白皇ゲーム(2016)時点では、トゥスクル国内でもヤマト文字(仮)が使用されており、むしろトゥスクル文字(仮)は使用されていなかった。

さらにヤマト文字(仮)はロストフラグ内で使用されていない(2021/07現在)事も踏まえてメタ的な推測をすると、ヤマト文字(仮)はうたわれ公用語としては無かったことにされ、新しく整理し直したのがトゥスクル文字(仮)と思われる。

もしトリロジーボックス発売当時(2018)にヤマトが舞台のアニメが追加制作されていたら、ヤマトでもトゥスクル文字(仮)が使用されていたのではないか。
(この点に関しては2021年以降に二人の白皇がアニメ化されれば判明する可能性がある)

2018年には開発が始まっていたであろうロストフラグの製作中資料を元にアニメが作られたか、直近のアニメ設定をロストフラグのゲームに取り入れたかのどちらかの可能性が高い。

ヤマト文字(仮)とトゥスクル文字(仮)のどちらにも共通している点として、ゲーム内の背景に描写された文字の方が完成度が低い。

一般的にゲームの製作期間が長いことを考慮すると、開発中のゲームの資料→前後に制作されたアニメという方向性で取り込まれ、整理・補完されたと考えると、アニメの方が文字としての完成度が高い点の説明がつく。(アニメの方が製作開始がゲームより遅くても、公表は先)

このような推測から、トゥスクル地方の文字、というより2018年以降のうたわれるもの世界の公用語に置き換わった可能性が高い。(2015年版=ヤマト文字(仮)は廃止)

ロスフラ文字(仮)

ロストフラグ ゲーム内で使用されている二種類の内のもう片方。あまり定まった呼び方をされていないので、ここでの便宜的な呼称。

教団謹製の製品や、教団大社に近い東町の店の看板など下記ではロスフラ文字(仮)が使用されている。
  • 教団大社施設内の室内の額縁
  • 教団謹製製品
  • 教団近傍の通り(東町)の看板
  • 花札
  • 薄い書冊
画像5.ロストフラグ 東町 町並み (看板などに文字)

画像6.ロストフラグ 教団大社詰め所 (中央奥の額に文字)

ただし、教団内でも業務で使用する公文書の文面は「公用語」=トゥスクル文字(仮)のため、ロスフラ文字(仮)の用途は、現代人が看板や掛け軸などで草書体や旧字体を使用したり、古代の神官文字と民衆文字のように、なんらかの使い分けと思われる。

薄い書冊にも使われているのは、現実でも内容の無い成人向け薄い書冊で、金字体や草書体を使うようなセンスと同類と思われる。

また、ロスフラ文字(仮)は平仮名やカタカナを崩したり、くっつけたりした形が多い、というより変体仮名に近い。

漢字を崩した変体仮名が整理統合されたのが現代の仮名なので、ロスフラ文字(仮)の作り方が近いのか、あるいは意味があってそうしている可能性もある。

ロストフラグの世界では旧時代の記憶を持っているプロクシード(代理人形)の存在など、旧三部作よりも作中の旧時代と文化的な繋がりが強い。そのため、世界観設定上のアクセント以上の意味を持つかもしれない。

関連する推測

ヴライが読み書き出来なかった件

ヴライのキャラストでロスフラ世界に召喚当時、読み書きが出来なかったエピソードがある。

これはヤマトと大島(ロストフラグの世界≒九州地方)で文字が異なっていたというより、成り上がりの脳筋武官がフツーに文字が読めなかった可能性がある。(ヴライの出自はあまり情報が無いので推測による)

現代の先進国では母国語の読み書きは子供でも当然のように出来るが、日本でも平安〜鎌倉時代の武家が代筆を必要としていた点などから、よほど良い家柄の生まれでも無い限り、識字率は低かったのではないか。

偽りの仮面 序盤にて、ハクが字を読めないことに関して、クオン、ネコネに可哀想な目で見られていたが、偽りの仮面の主人公パーティーの主要メンバーはほぼ皇族や貴族(豪族)の生まれだったりするので、あの時代の一般人よりだいぶ教養が高く、教養レベルの参考にはならないと思われる。

また、字が読めないと帝都での仕事が探しにくいという点についても、ヤマトは当該世界内で随一、とくに帝直轄の帝都は特異的に文明レベルが高いことを考慮すると、地方出身者との教養レベルに格差がある事も考えられる。

ロスフラのハクが読み書きに困らなかった件

イベント「白靄の異客」でロスフラ世界に迷い込んだハクが、普通に仕事をこなせていた=恐らく文字の読み書きに困らなかったと思われる。

これは前述の通り、ヤマトやトゥスクルと言った地理的な理由で文字の隔たりが無く、ハクがヤマトで使っている文字=大島の公用語だったと推測できる。

その他の文字種

文字種α-1

シリーズ通して使用されている楔形(に類似した)文字。

一応「二人の白皇」作中でオシュトル(ハク)が「楔形文字とは違う」旨の発言をしている。
画像7.二人の白皇 陸ノ章 神話 「封印の扉」


ただし、台詞欄で使われている文字と背景絵の文字に差異があり、恐らく台詞欄では使いやすいやすさ優先で、Unicode内に存在する楔形文字を使用していると思われる。

二人の白皇 後半でウォシスの長文台詞にこの文字が充てられているが、全く異なる音に同一の文字が使用されており、そもそも文字数が少ないのでアルファベット(ローマ字)や仮名に1:1で対応していない可能性が高い。

仮に文字としてきっちり策定されていたとしても、ヤマト文字(仮)やトゥスクル文字(仮)とは毛色が異なる可能性が高い。

文字種α-2

偽りの仮面ゲーム中やロストフラグゲーム中にて使われている各種文字。

偽りの仮面ではヤマト帝都の市場や、書冊街、競走場などで使われている。
画像8.偽りの仮面 市場

画像9.偽りの仮面 書冊街

画像10.偽りの仮面 競走場

ロストフラグでは地下闘技場や酒蔵で使われている。
画像11.ロストフラグ 地下闘技場

画像12.ロストフラグ 酒蔵


前述の3種の公用文字に近しい形状もあるが、いずれも文面に対して1:1で参照可能な日本語テキストが示されていない事が多く、恐らく解読はされていない。場面ごとに違ったりするため、統一性や整合性があるのかも不明。

うたわれるものシリーズでは旧作の背景を流用することも多いため、画像11〜12に関しては、ロストフラグが初出ではない場合、そもそも文字体系が異なる可能性もある。

似たような理由で断定が困難な画像が下記。

画像13. ロストフラグ ♂ウルサラ キャラスト 画像(左上に文字)

2020/10にロストフラグで実装されたウルゥル・サラァナ[月影の妖刀]のキャラストーリーに登場した薄い書札の表紙。

タイトルと思われる左上の文字が形状としてロスフラ文字(仮)に似ているが、判明済みの文字(2021/09現在)には該当しない。
2文字目がロスフラ文字(仮)の「ン」、3文字目が「イ」を回転させたようにも見えるが、残り3文字は不明。

恐らくこの画像はロストフラグが初出と思われるものの、当該ストーリーは2020/10のイベントに出てきた仮のヤマト世界なため、どの文字体系に所属するのか不明。

(2021/09現在の)ロスフラ文字(仮)には形状の極めて似ている「リ」と「ロ」や、同じ形状で回転させただけに見える「フ」と「オ」など正誤の判定が難しいものも残っており、画像13のような根拠の薄いものを下手にロスフラ文字(仮)と断定すると、情報としてノイズが交じる可能性もある。

文字種α-3

日本語?

画像14.イベント 聖夜奔走 VH1背景

2020.12にクリスマスイベントとして実装された「聖夜奔走」の戦闘ステージ背景。
恐らく漢字で「千客萬來」(=千客万来)かと思われる。

当該イベントにて実装されたエディフェル達四姉妹は、うたわれシリーズ外からのコラボ的なキャラのため、客人(まれびと)としての召喚元世界がうたわれ旧作の世界線(または時間軸)と異なる可能性がある。

うたわれゲームの作中では画像で一度も表示されてはいないが、ハクが舞台中で「神代文字」と呼ばれる文字をネコネに教える場面があり、説明文から日本語の平仮名と片仮名で有ることは間違いない。
そのため、旧作本編世界でも数百年前には日本語が存在していたと思われる。